FAQ(よくある質問)

小児脳腫瘍の症状等に関して

Q 脳腫瘍と診断される前に子どもの体重が増え太りました。体重が増えることと脳腫瘍という病気の間には何か関係があるのでしょうか?
A 視床下部には肥満に関与する部位がありますので、視床下部に病変がおよぶ頭蓋咽頭腫では肥満はしばしばみられる症状です。それ以外では腫瘍が直接関与することは考えにくいでしょう。

小児脳腫瘍の治療の選択に関して

Q 放射線治療と外科手術ではどちらを選ぶべきでしょうか?
A 合併症なく手術で腫瘍を完全に取りきることができるのであれば外科手術が優先します。
Q 視交叉に発生した視神経膠腫の8歳の男の子です。1歳で発症して化学療法を受けた後、インターフェロンを6年間継続してきました。症状もよくなり腫瘍は小さくなった後かわらず維持してきたのですが、インターフェロン治療を終えて2ヵ月後にMRIを撮ったところやや大きくなっていることが分かりました。今の時点で、今後何をすべきでしょうか?
A 考えられる治療としては、放射線治療、化学療法、インターフェロンの再開などがあります。放射線治療以外はどれが有効かは行ってみないとわかりませんので、副作用とのバランスを考えて治療法を選択した上で、試行錯誤してみるしかないと思われます。経過の長い疾患ですし、今後さらに有効な治療法が出てくることも考えられるのであせらずにじっくりと構えることも大切です。腫瘍がどんどん大きくなって視神経を圧迫して眼が見にくくなったり、脳の内部になる髄液の経路をふさいで水頭症を起こすようになれば、部分的に腫瘍を摘出したり、水頭症に対して髄液のシャント手術を行ったりすることがあります。
Q 34歳の男性です。4歳のときに毛様細胞性星細胞腫を発病して、摘出手術やγナイフなどの治療を受けてきましたが、昨年再発し、現在化学療法を行っています。もし放射線療法を実施することになった場合、この腫瘍の治療に適している放射線治療は何かを教えてください。またどの放射線治療が正常細胞へのダメージが低いのでしょうか?
A 通常の放射線治療では患部以外の正常な脳組織にも放射線があたってしまうので繰り返し照射をすることができません。強度変調照射や粒子線照射でも同様です。ミリ単位で照射範囲を正確に捉えることができるガンマナイフが適しています。ガンマナイフは繰り返して実施することができます。
Q 小学校6年生の女の子です。小学4年生の時に胚細胞腫と診断され、化学療法および放射線療法を受け退院しましたが、1年後に体調不良から痙攣を起こしたため、コートリルの量を増やしました。そのせいか体重がかなり増え、足に痛みを訴えています。つい最近成長ホルモンの補充も始めましたが、これによって体型は元に戻り、足の痛みも取れるでしょうか?コートリルの量を減らした方がいいようにも思うのですが?
A 詳しいことがわかりませんが、肥満になったのであればコートリルが過量なのかもしれません。担当医とよく相談して下さい。ただし、尿崩症の点鼻のお薬やコートリルなどのお薬は下垂体ホルモンの補充に用いますが、これらのホルモンは生命維持に不可欠ですので不足すれば命にかかわるような状態になることもあります担当医とよく相談して下さい。成長ホルモンで体型や下肢痛がよくなるとは考えにくいと思います。体型については頭蓋咽頭腫で視床下部下垂体系のホルモン補充をしていると、成長ホルモンの投与によってそれまでふっくらとした体型が少ししまった感じの体型になる場合があります。

小児脳腫瘍の治療後に関して

Q 現在、6歳の男の子です。2歳のときに松果体芽腫を発病し、入院して化学療法、放射線療法を受け、外科手術で全摘し、現在は治療観察を続けています。来年小学校に入学するので勉強や運動にどれだけ対応できるのか心配です。また今後の成長についてもどのようになるのか知りたいです。
A 全脳全脊髄と松果体部に放射線治療が行われたと想像されますが、頭部への照射により、IQが低下してくることが予想されます。また、発症時に水頭症があればそれも原因のひとつとなります。ただし、IQは相対値ですのでお子様は着実に発達して行きますので、その子なりの成長を見守ってあげたいと思います。また、不得意な部分を検査などで把握し、そのうえで対処して行くことが大切です。また、得意な所を伸ばしていくようにすることも重要なことです。
Q 現在11歳の男の子です。今年の夏にCTで左側頭葉に腫瘍(グリオーマ)が見つかりました。周りに浸潤がありましたが、外科手術でできるだけ取り除き、放射線治療を受けました。今後リハビリが必要といわれましたがどのように回復していくのでしょうか?今までのように生活していけるのでしょうか?
A 腫瘍の種類、現在の麻痺や言葉の問題がどの程度かがわからないので十分な回答ができませんが、一般的に術後1か月くらいの時点で、麻痺や言葉の障害の程度が軽ければその後の経過でさらに良くなることが多いのですが、強ければ後遺症が残ることは考えておく必要があるでしょう。リハビリは脳の働きが回復するのを助ける治療法で日々の練習が大切ですが、過剰に期待しすぎないようにしてください。
Q 中学3年生の夏に髄芽腫を発病し、手術しました。化学療法と放射線療法を終えて寛解し、現在に至っていますが、本人にしか分からない記憶力の低下に悩まされています。高校の先生になかなか理解してもらえないのですが、どうすれば分かってもらえるでしょうか?
A 短期記憶の低下は放射線治療の晩期合併症としてよくみられるものです。発達検査で客観的な評価をし、それで先生に説明されてはいかがでしょうか。
Q もし病気が20才をすぎて再発したら小児慢性特定疾患の公費負担制度が適用されないのでしょうか?適用されないなら医療費負担を軽減する何か良い方法はないのでしょうか?
A 残念ながら発症時18歳未満でないと適応されません。一定以上の医療費は高額療養支給制度で支給されます。限度額は所得によって異なります。
Q 小児脳腫瘍の晩期合併症に悩まされている思春期の子どもが、相談できるところがあれば教えてほしいのですが。
A 全国各地域に長期フォローアップ拠点病院が整備されていますので、それを利用されればよいと思います。