小児脳腫瘍における化学療法の基礎知識
兵庫県立こども病院血液腫瘍科   小阪 嘉之

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使用される化学療法剤の種類

 小児脳腫瘍によく使われる薬剤を表1に示した。 それぞれの薬剤の一般名と商品名、また脳腫瘍のなかのどんな疾患に使用される かを表2〜6に示す。
このなかでも使用される頻度の特に高い薬剤は、 表2のアルキル化剤のなかでは、シクロフォスファミド(エンドキサン)、 イフォスファミド(イホマイド)、表4の植物アルカロイドのビンクリスチン、 表5の白金製剤のシスプラチン(ランダ、ブリプラチン)、カルボプラ チン(パラプラチン)、その他の表6のエトポシド(ラステット、ベプシド)である。
表1.小児脳腫瘍の治療によく使われる薬剤
アルキル化剤
nimustine
ranimustine
cyclophospamide
ifosfamide
melphalan
procarbazine
代謝拮抗剤
methotrexate
白金製剤
cisplatine
carboplatine
植物性アルカロイド
vincristine
vinblastine
その他
etoposide

表2. アルキル化剤
作用機序:おもにDNA(デオキシリボ核酸)の合成を阻害
1)シクロフォスファミド(エンドキサン)
   髄芽腫、胚細胞腫瘍
2)イフォスファミド(イホマイド)
   髄芽腫、胚細胞腫瘍
3)メルファラン(アルケラン)
   髄芽腫、高悪性度神経膠腫
4)チオテパ(テスパミン)
   髄芽腫、高悪性度神経膠腫
5)ラニムスチン(サイメリン)
   髄芽腫、高悪性度神経膠腫、乏突起神経膠腫
6)塩酸ニムスチン(ニドラン)
   髄芽腫、高悪性度神経膠腫、乏突起神経膠腫

表3.代謝拮抗剤
作用機序:主に核酸の合成に関係した代謝を阻害
1)メソトレキセート(メトトレキサート)
   髄芽腫、高悪性度神経膠腫

表4.植物アルカロイド
作用機序:細胞分裂を阻害、ニチニチ草から抽出
1)ビンクリスチン(オンコビン)
   髄芽腫、低悪性度神経膠腫、高悪性度神経膠腫
2)ビンブラスチン(エクザール
   胚細胞腫瘍

表5.白金製剤
作用機序:DNA合成および細胞分裂を阻害
1)シスプラチン(ランダ、ブリプラチン)
   髄芽腫、胚細胞腫瘍、上衣腫
2)カルボプラチン(パラプラチン)
   髄芽腫、胚細胞腫瘍、上衣腫、低悪性度神経膠腫

表6.その他の抗がん剤
トポイソメラーゼ阻害薬 ――― 作用機序:DNA合成阻害
1)エトポシド(ラステット、ベプシド)
   髄芽腫、胚細胞腫瘍、高悪性度神経膠腫、 低悪性度神経膠腫
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