上衣腫
大阪市立総合医療センター 北野 昌平
はじめに 〜上衣腫とは脳腫瘍は発生する脳の部分によって出現する症状が異なります。そのため同じ種類の腫瘍でもその治療方法や経過が違うことがあります。上衣腫(じょういしゅ)も、大脳半球に発生する場合と小脳の奧にある第4脳室に発生するものでは症状や治療の経過が違います。(図1参照)治療に関係した経験からいいますと、第4脳室に発生した上衣腫の中には治療が難しいものがあるという印象を持っています。ここでは、ご家族が上衣腫について理解を深め、治療方法を選択する時に、少しでも援助になるよう解説したいと思います。 図1上衣腫はグリオーマの一種です
上衣腫は小児の脳腫瘍の約6%を占め、多くはありません。グリオーマという腫瘍のグループに属しています。グリオーマとは脳を形作る細胞のグリア(神経膠)細胞から発生した腫瘍のことです。グリア(神経膠)細胞は星(せい)細胞、乏突起膠(ぼうとっきこう)細胞、上衣(じょうい)細胞、脈絡叢(みゃくらくそう)細胞など数種類あります。上衣腫とはこの中の上衣細胞から発生した腫瘍です。
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