グリオーマ
大阪市立総合医療センター小児脳神経外科   坂本 博昭

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小脳グリオーマ

 小脳は体や手(上肢)と足(下肢)の細かな運動調節を行っています。小脳が障害されると、手足の力はあるのですが、うまく使いこなせない症状となります。たとえば片足で立つとふらついたり、歩くときにふらつくことや、まっすぐ歩けないなどの体の平衡感覚を保つのが苦手になったり、手(上肢)では鉛筆や箸の使い方など手の細かい動作が下手になります。また、小脳に大きな腫瘍が発生すると、小脳の前にある第4脳室を圧迫して水頭症を起こすことが多いのです。このときは小脳の症状に加えて、頭痛、むかつき、おうと、元気がないなど水頭症の症状が目立つことがあります。水頭症の程度がひどいと脳の圧力が高くなり、水頭症に対して緊急の治療が必要となります。

 (図15)は小脳に発生したグリオーマです。造影剤が白く集まる部分が腫瘍で、大きく黒く見えるのは腫瘍から分泌された液体が小脳にたまって袋状の嚢胞(のうほう)になっています。このように嚢胞を伴う場合は良性のグリオーマが多く、脳幹部とは離れて発生しますので腫瘍を全摘出するようにします。
小脳は障害されても何か月か経過すればその機能は回復しやすいので、手術直後に動作が下手になり歩行が不安定になってもリハビリテーションなどで手足の不自由な状態は軽くてすみます。腫瘍を全部摘出できれば再発することはまれなので、放射線治療や化学療法を行う必要はありません。

しかし、取り残しがあれば再発することがあり、再手術や放射線治療が必要なこともあります。

図15
グリオーマの図
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