ガンマナイフ治療
大阪市立総合医療センター脳外科   岩井 謙育

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ガンマナイフのよいところと問題点

ガンマナイフのいいところ

 ガンマナイフのいいところは、治療時間が短い(数時間で終わる)、侵襲が少ない(開頭術や他の治療に比べて)、脳内で同一場所でなければ何回でも治療が可能である、全脳照射後でも治療可能である(普通の放射線は繰り返しできない)、などであります。また、従来の放射線治療に比べて周辺の脳組織に対する遅発性の放射線障害、放射線誘発腫瘍の頻度は少ないと思われます。

  • 治療が短時間で終わる。
  • 侵襲が少ない。
  • 繰り返し治療が可能である。
  • 全脳照射後でも治療可能である。
ガンマナイフの問題点

 ガンマナイフ治療の問題点としては、頭部にピンでフレームを固定するため、頭蓋骨が薄い2歳未満の患者さんは治療できません。また、治療の負担を考え10歳以下は全身麻酔にて手術を行っています。また、患部に集中して放射線を照射するため脳全体の放射線障害は考えられませんが、患部周囲の脳組織、脳血管に対する長期の副作用の出現は今後も検討する必要があると思われまが、今までに多くの治療が行われてきた脳動静脈奇形において、そのような副作用の報告が極めて稀であるのは事実です。さらに、視神経、脳幹部は特に一回に放射線照射を行う定位放射線治療では問題になるところですが、この問題を解決するために、治療線量を下げることや、最近では何回かにわけて定位放射線治療を行う分割定位放射線治療の方法も行われています。

  • 2歳未満は治療できない(フレーム固定が不可能なため)
  • 10歳以下は全身麻酔が必要
  • 長期の放射線障害の検討が必要
    • 周辺の脳組織に対する影響
    • 遅発性の血管障害

 このように低侵襲で有効なガンマナイフ治療ですが、この装置は頭の中の病気しか治療できません。 そこで、このような方法で全身の病気(癌)の治療ができる装置を世界中で開発中です。 そうなれば、より多くの患者さんが定位放射線治療の恩恵に浴すると思われます。

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