髄芽腫とPNET
大阪市立総合医療センター小児血液腫瘍科部長 原 純一
おわりに 〜髄芽腫とPNET現時点では満足のいく標準治療は海外でも確立していない、というのが現状であり、現在標準治療といえるものは、放射線の障害のため無視できない後遺症をもたらす。そのためより良い標準治療を作り上げることが急務であり、そのためには関連各科連携による、集学的な治療体制を築き、その上で治療法開発のための臨床試験を実施する必要がある。しかし、患者の数が少ないと臨床試験の結果を得るのに長い年月を必要とし、場合によっては試験を実施することすら困難となり、治療法の開発が不可能となる。小児の髄芽腫/PNETは他の腫瘍と比べるとまれな疾患で年間100人程度と推定される。合意のもと、できるだけ多くの患者の参加を得ることでのみ、理想的な治療法の開発に向けて大きく前進することができる。 | |
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