治療の選択フォーラム「治療の選択フォーラム(2006年12月17日開催)」は終了致しました。

当日は42名の参加があり、講演後のパネルディスカッションでは多田先生、手島先生にもパネラーとして御参加いただき、また患者家族の方々の声も会場から出され、活発な討論が行われました。当日参加者の皆さんに治療の選択に関してアンケートにお答えいただきその結果を即時に集計してスライドで映してディスカッションするというエスビューロー始まって以来の試みでしたが、大阪大学の大学院生たちの協力のもと滞りなく進めることができました。治療の選択アンケートの集計結果は下記よりご覧になれます。アンケートの作成に当っては京都大学医学部附属病院の一戸先生の発案で、私どもの未熟なところを補っていただきました。随分と時間を割いていただいたと思います。ありがとうございました。エスビューローでは何とか少し、成人がん分野での自信ができたような気がします。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。


治療の選択フォーラム

治療の選択フォーラム

私どもエスビューローは2005年度より2期にわたって小児がん医療学習6ヶ月講座を開催し、「病気と治療の基本知識を一定期間に数回の講座にて学ぶこと」、及び「その期間に形成される患者(家族)同士のコミュニティに帰属すること」の2点が、困難な治療選択に大変効果的であることを実感してきました。このことは成人のがんにもあてはまると思います。

より良い治療選択のために大切なことは何か? 私たちNPOからのメッセージを受け取って下さい。

  • 大阪市NPO活動公募制助成対象事業
  • 主催/特定非営利活動法人 エスビューロー 
  • 後援/大阪市立総合医療センター 臨床腫瘍科・小児血液腫瘍科、NPO法人 HLA研究所
  • 場所/大阪市立総合医療センター「さくらホール」

【コーディネーター】エスビューロー(代表)安道照子、(副代表)安井美喜、(事務局長)長澤正敏

ごあいさつ(12:30〜)

多田 弘人(大阪市立総合医療センター 呼吸器外科副院長)
手島 博文(大阪市立総合医療センター 血液内科部長)

血液腫瘍の治療の選択(12:45〜13:35)

一戸 辰夫(京都大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科)
かつて「不治の病」といわれた白血病・悪性リンパ腫などの血液腫瘍の治療は、過去10年余りの間に大きく進歩してきました。しかし、日々の診療現場では、優劣の定まらない治療法の二者択一や、造血幹細胞移植など合併症出現のリスクが高い治療法の選択にあたって、患者さんやご家族のみならず、主治医や診療チームもしばしば難しい決断に迫られているのが実状です。血液腫瘍のよりよい治療選択を行うために今できること・これから必要なことは何かを、現在の医療水準の限界を提示した上で皆様と考えていきたいと思います。

成人癌の治療の選択(13:45〜14:35)

菓子井 達彦(大阪市立総合医療センター 臨床腫瘍科部長)
がんの治療方針の決定は、その種類と進行度に応じた治療法のリストアップとそれぞれの得失の分析、その上での治療法と治療施設の選択、という手順で行われますが、そこには不確実性が存在します。どの治療法にも一長一短があってこれがベストと言い切るのがむずかしい場合が多いものです。また延命効果しか得られないのであれば、自宅または専門施設での緩和ケアを受けるという選択肢もあります。このように治療法の選択は個人の価値観、人生観に関わってくる問題であり、「治療の選択」は「生き方の選択」とも言えます。
これらの点について皆さんと一緒に考えたいと思います。

小児がんの治療の選択(14:45〜15:35)

原 純一(大阪市立総合医療センター 小児血液腫瘍科部長)
子どもが小児がんになった時、親はどのような治療の選択をすべきでしょうか?
小児がんは患者さんの数が少ないため、標準的な治療法が確立している疾患は多くはありません。その一方で治療開発を目的とした臨床試験が行われており、そのような試験に参加すべきかどうかも悩ましいところだと思います。
小児がん治療の最善の選択をするために、医師に必要なこと、患者家族に必要なことを提言します。

パネルディスカッション(15:45〜17:00)