患児・経験者からのメッセージ

当事者からのメッセージ 1

メッセージ僕はとにかく負けず嫌いな(負けを認めようとしない)人でした。だから定期テストがあるたびに友達と点数を競っていました。それだけでなく友達と一緒にゲームをしていた時も(自分が負けたくない一心で)反則のようなことをしたこともありました。それだけに自分が何か勝負をして負けた時には腹を立てながら悔しがり、相手に八つ当たりをすることもありました。
そんな極端に負けず嫌いだった僕が今では正反対に、何事においても他人と比べない(競わない)ようにしようと心がけています。そのように考え方が変わったのは、ある日に病気をして入院し、退院をしたものの体には様々な障害が残り、高校には入学することができたけど、授業にも全くついていないままにテストを受けたところほとんど点数をとることができませんでした。それでも負けず嫌いな僕は腹を立てていました。そんな思いがテストを受ける度にありました。
その様な思いですごく苦しみました。だから必死に解決策はないのか、と考えたところ一度開き直って点数や勝ち負けにこだわるのをやめるしかない。と言う考え方に行きつきました。あれだけ勝ちにこだわっていた僕だけどそこで自分自身を一方向だかでなくあらゆる方向から見つめる事が出来るようになりました。それはつまりこだわりを捨て、今までとは違った考え方ができるようになったという事です。以来負けても悔しいと思う事も、怒りを感じることも減りました。

おかげで気持ちが楽になっていきました。だから僕は何事においても他人と自分を比べての勝ち負けは考えないようにしています。

このような事があってから、僕はなるべくこだわりは捨てていこうと努めています。(Kさん)

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当事者からのメッセージ 2

小児がん経験者のSさんが、PTG(ポスト・トラウマティック・グロウス=心的外傷後成長)の論文を読んだ感想を書いてくれました。
自分自身を振り返って考えたこと(Sさん)
message 私は確かに小児がんのサバイバ―だが、あまりそのことを意識したことはない。というのも、私は生まれてすぐに救急車で病院に運ばれ、緊急の手術を受けることになった。家族の話では、普通の卵ほどの大きさの腫瘍が脊髄周辺にできていたらしい。この腫瘍こそが小児がんだった。
この手術によってがんを除去することに成功したが、結果的には脊髄周辺を傷つけてしまい、現在も足に障害を持って生活している。しかし、手術を受けることができていなければ、私は間違いなく生存していなかっただろう。
そもそも、PTGという言葉自体、この論文を読むまでは聞いたこともなかった。このようなことを研究しておられる先生がいることにも驚いた。とても新鮮な気持ちで興味深く読むことができた。ここではその中で自分と照らし合わせて考えたことを述べる。
私の中では小児がんの観点でトラウマと呼べる明確な苦痛があったわけではないと思っている。なぜなら、前述の通り私は記憶が残っている4、5歳からの約10年間、ただ自分には足に障害があるだけで小児がんなんて自分には関係ない病気だと思っていたからだ。その後遺症を抱えて生活しているとは考えもしなかった。気づいた時には体がこの状態だったから嫌でもそれを受け入れて生活していかなければならなかった。ここであえて言うなら、この「受け入れる」ということが、今まで生きてきた中でひとつ苦痛になり得たことである。小さい頃は年齢のおかげか意外にすんなり行っていた部分が多かったように思う。友達もすぐにできるタイプだったし、みんなとほとんど同じように学校生活を送れていた。ところで、他の人に負けてしまう部分は誰しもが持っていると思うが、私の場合はそれが顕著に表れる。今振り返ると、それをカバーしようとしてか、自分のできることは可能な限り精いっぱいやろう、それで人に認めてもらおうという考え方を無意識にやっていた。人に「受け入れ」てもらうため、小さいながらも強みを作ろうとしていたのかもしれない。しかし中学生となり思春期が訪れた時には、周りとの違いをどうしても意識してしまった。周りと同じようにやりたいというスタンスも、身体的な面で妥協しなければならない瞬間が多々あった。この時期が最も苦痛だった。周りからの受け入れではなく、自分の中で自分を受け入れることが困難になった。この時の対処法としては、ひたすら誰かに話を聞いてもらうことで、なんとかしのいでいたという感じである。時間が解決してくれるだろうとも思っていた。高校生になるとそこまで葛藤もなくなったので、少しずつ精神的にも落ち着いていたのだろう。そしてあっという間に大学進学の準備。もともと医療に興味があったし、自分が小児がんのサバイバ―であること、難病を抱えて生活している他の人との出会いなどを通じて、将来の医療に貢献していきたいという気持ちが固まり、現在バイオ工学を学んでいる。これが正解なのかはわからないが、少なくとも私が小児がんを患って生まれてきたことには意味があると常日頃から思っている。その答えをじっくり探しながら、これからも自分を受け入れる努力を続けていきたいと思う。また、一生かけて私はPTGを目指していこうと思う。このような考え方ができるようになったこともPTGなのかもしれない。

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